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Relationships are all about give and take(リレーションシップの全ては、相手になにかをあげたり、相手から何かをもらったりするところにある)

「Relationships are all about give and take」(リレーションシップの全ては、相手になにかをあげたり、相手から何かをもらったりするところにある」という格言がある。これは、昔からあった表現ではなく、最近できたキャッチフレーズみたいなものだ。でも、新しい言い回しだから稚拙とか、そいうことはなかろう。

このことわざの通りだと僕は思う。カップルの関係はある意味貿易みたいなことで、その貿易が平等でなくてはならないのだ。一人のニーズに偏ってしまうと、対等に話し合うことができないし、二人ともその関係に違和感を感じるようになるだろう。ビジネスの理想は勝手に一人が相手を圧倒的に抑えて、宝物を奪うのではないように、恋愛は二人のニーズをお互いに理解し合って、二人で満足させようとする姿が理想であろう。場合によって、恋愛でも取引みたいな感じになる。その時は相手を赤字にさせず、二人とも利益が出るような活動に力を入れるに越したことはない。

英語の「give and take」は非常に訳しにくい言葉だ。人間関係において、英語の「give」は日本語の「あげる」に相当すると思われるが、日本語の「あげる」の他に「差し上げる」「やる」等、丁寧と無礼の段階に分かれている仕組みは英語にはない。その代わりに、英語の「give」の意味は幅広く、比較的に強い単語なのだ。(余談だが、大体四つの文字からなる単語は意外と強いと覚えておけば損はない。「Love」「hate」「live」「kill」「make」「fuck」など、動詞が短ければ短いほど強いという傾向がみられる。)

「take」は「取る」「もらう」「受ける」等、いくつかの意味があるのだが、「give and take」の場合は「取る」「奪う」に近いと思う。「give」も「take」もかなり強い単語だ。

例えば、殺意を抱えている犯人が銃をお姫様に向け、引き金を引こうとしたその時、用心棒が自ら拳銃とお姫様の間に飛び、弾をあびて死んだとする。酷い例ですみませんが、この時のもっとも適切な表現は、「He gave his life for her」(彼は彼女のため自分の命を捧げた)である。

「take」も同じ強さが含まれている。実は、「take」も命に関わる単語の一つだ。例えば、何回も振られた挙げ句、自分に似合う人は一人もいないと勘違いして、岸壁から海へ飛んで自殺してしまった青年のことを、「He took his own life」(彼は自分の命を取った?)と表現できる。

また、「give and take」は、童貞/処女について話す時にも使える。「He took her virginity」(彼が彼女の処女を奪った)や「She gave him her virginity」(彼女は彼に捧げた)はその例。

まあ、「give and take」は悲しくて重いことばかりではないが、軽いことではないため、どちらかというと、真剣な場面に使うことが多いかもしれない。

「give and take」は良いことだけど、「give」も「take」も一方通行みたいな単語で、「平等」という意味は含まれていない。組み合わせると良いのだが、一つだけになっている場合はあまり歓迎できるようなリレーションシップではない。

「Give」は必ずAからBのことを指していて、「take」は必ずBからAの関係を指す。だから、「give and take」が良いの本当の意味は、「人間はわがままな動物だ。リレーションシップの最初の頃は平等であっても、いつまでもそうあり続けるとは限りない。むしろ、そのまま平等で続くことが不自然でおかしいとすら言っても過信ではない。人間は一応親しくなっても、去っていくようになっているからだ。しかし、それでも頑張るのも人間だ。リレーションシップはバランスで成り立っている。二人の違う人間が自分らの違いをうまく把握しないと、関係が長く続くことはない。バランスを保つことが大事なのだが、うまくバランスを取ることが難しい。

人間には必ずわがまま部分がある。それで、全てを平等に分かち合うより、二人とも自分らのわがままな部分を認めた方が、長く続くの秘訣のではないか、という考え方だ」というように、僕は解釈している。
(チョコの例)

言い換えてみれば、カップルがいくら親しくても、必ず喧嘩するものだ。もちろんその頻度と激しさは二人によるのだが、平和なカップルだって喧嘩をする。その時、全てを平等に分かち合って合意を無理矢理させようのではなく、たまに我慢して済む、という作戦が「give and take」だ。「今日の喧嘩は私が折れるけど、明後日はあなたの番だよ」というような感じ。こういう努力で、すぐ解決ができるし、ひょっとして喧嘩の数が減るかもしれない。なぜなら、カップルの喧嘩ネタのほとんどは、些細で馬鹿なことばかりからだ。怒りを抱いている時はその喧嘩の種のくだらなさに気づきにくいのだが、酷い言葉をかけた後で、なぜ自分がそんなに怒っていたのか、と思ったことはないか?そういうことがないように、自分が爆発しそうになっている時、「give」もしくは「take」。

大事なのは、バランスよく「give」と「take」だ。一方通行だといつも「give」になると相手に利用されているように感じられたり、「take」だと相手を利用しているような印象を与えかねない。だから、相手をできるだけ理解し合って、理解できない部分にぶつかる時、一人が折れる。折れる役を交代できるようになれば、喧嘩の数が格段に下がるだろう。これが「give and take」の秘訣だ。