I'm looking for Mr. Right.(白馬の騎士を探しているの)という表現はよく目にする、僕には気に入らない。しかし、自分の違和感の原因を解説する前に、このミスターライトは誰なのか、ちょっと説明しておく。
ミスターライトは、女性が望んでいる「結婚に値する」紳士のことを指す。Mr.Rightについての表現はいくつかある。
- I'm trying to find my Mr. Right. (自分に合っている紳士を探しているの)
- Is Mr. Right out there? (ミスターライトはいないのかな?)
- Searching for Mr. Right... (ミスターライトを探しているの)
- I want to know how to find Mr. Right. (結婚に相応しい男性に出会う方法を知りたいの)
また、理想の男性を表す言葉もたくさんある。
Mr. Right | ミスターライト |
my knight in shining armor | 輝いている甲冑(かっちゅう)に身をつつんだ騎士 |
my white knight | 白馬の騎士 |
my prince | 王子様 |
上記のフレーズの全ては、女性専用語だ。white knightとかprinceの場合は、「あたしは自分を助けることができないから、どうかあたしを救ってください」というような印象を与える。でも、自分はお姫様であっても、自分からそういうようなこと言うと、印象が良くないじゃないか、と僕は思う。
水を差すようなことで申し訳ないが、Mr. Rightは、自分が今まで遊んできた印象を与えかねない。なぜなら、「今Mr. Rightを探しているの」というような文を書いてしまったら、ここまで誰を探していたのだろう、という疑問が男性の心に湧いてくる。
僕がこういう表現に抵抗を感じるのは、もう一つの理由がある。それは、女性は男性に対してこういう表現を使うことができるものの、男性が女性に対して似たような表現はないからだ。「Ms. Right」なんて誰も聞いたことがない。「I'm looking for my princess」と言ってくる男性も希だ。だから、この「あたしは困っているわ。誰か、助けてくれないかしら?」という呼び方を止めた方が良いと思う。男性が強者で女性が弱者とされていた時代の名残に過ぎないのではないか、と。
それだけではない。僕は女性が自分自身をお姫様扱いの呼び方をしている時、二つの嫌なことを考えざるを得ないのだ。第一番目は、この女性は自分を過剰に評価しているということだ。そんな王子様とお姫様の結婚はなかなかできないものだろうから、自分は彼女と付き合うことになっても、なかなかうまくいかないじゃないかなと思うようになる。
同時に、とんでもない想像をしてしまう。それは、この女性が落としやすいかもしれない、ということだ。なぜなら、自分を過剰に評価しているということは、自分に自信がないからだ。自分に自信を感じない女性なら、男性が適当に甘い言葉をかけてみたら、すぐベッドを共にできるじゃないかな、と考えられるからだ。もちろん、これは僕自身が良くないということだと思うけれど、その「あたし、困っているわ。どうか助けてくれないかしら」というような言葉を聞くたびに、その女性を利用したくなる。どうせ彼女は男性に捨てられるからと思いこんでしまって、良くないと知りつつ、まるで自分の番になったかのように、彼女と一晩を過ごしても良いじゃないかな、と思うようになる。
なぜこんなひどいことを考えるだろう。最初に思いつく理由は、男性は他の男性の考え方に左右されるからだ。いつもひどい目に逢っている女性なら、自分も彼女を利用したら別に彼女を汚しているわけではない。自分が初めてガッカリさせる人になりたくないと思う。だけど、数回ガッカリさせられた人の場合は、申し訳ないと思いながら、純粋なわけじゃないから、別に良いじゃないかな、と自分に言い訳をする。
なんでこう感じるだろう。自分が汚いと思っているからかな。自分は自分が汚いと思っているのが故に、キレイな女性となかなかうまくいかないかなという恐怖感に負け、明らかに焦っている女性としか関係を持てなくなる。焦っている信号の一つは、「Mr. Right」という言葉だと僕は思う。
まあ、これは自分の変わっているところと言われたら、反論はない。僕は嫌な変態に過ぎないかもしれない。かなり特徴的な考え方をしているかもしれない。だから、この話はこのぐらいにしておいて、次の話題に移ろう。
理想の相手をどう呼べば良いか?
「Mr. Right」のような表現が駄目であれば、どう呼べば良いか、と疑問に思っている人がいるだろう。
下記は、男性でも女性でも使えるような表現をいくつか並べてみる。
the love of my life | 一生の恋 |
my life partner | 人生のパートナー |
my best friend and lover | 親友且つ愛人 |
the one for me (略:the one) | 理想の相手 |
my special someone | 特別な人 |
まあ、こういう表現は正直言って、「Mr. Right」とあまり変わらないけど、違うところを言えば、「助けて欲しい」という印象はない。その代わりに、「自分が愛する。そして、自分も愛される」という点に集中している。